2016年12月25日日曜日

クリスマスおめでとうございます



クリスマスおめでとうございます

シスターL
 お元気でクリスマスをお迎えでしょうか。修道院でも馬小屋が飾られ聖堂も優しい雰囲気に包まれています。まぶねに眠るイエス様をのぞき込んでいるマリア様、ヨゼフ様の姿に私たちはほほ笑みます。この場面を描いた名画も世界にはたくさんあります。やはりほほえましいものです。それはクリスマスが下さる恵みでしょうか。
 神の子が生まれるという大きな出来事が人口調査でごった返す中で人の目にも止まらないほどひっそりとおこなわれたことの不思議を思います。沈黙と静けさと素朴さの中で。神様は私たちが繰り広げる日常の中におられると思えてなりません。以前、九州におりました時、その教会の主任司祭が24日のクリスマスのミサに来る人々を出迎えておりました。一人のおばさんが“神父様生まれました。男の子です”と言いました。そしたら神父様が“イエズス様より早く!!”と言いました。聞いていた私たちも笑顔になりました。神様はこんなに近くにおられます。
 一人の宣教師がクリスマスだけはイタリアの自分の村のクリスマスを思い出すと言っていました。色々な思い出が詰まっているのもクリスマスですね。どうぞ良いお年をお迎えください。新しい年の無事と幸せをまぶねのイエス様の前で祈っています。
平成28年クリスマス

2016年12月1日木曜日

聖エリザベト



聖エリザベト
 シスターL
 
 私達のレジデンシア、寮は“エリザベト会”と言います。60年前のことで、どうして聖エリザベトの名を付けたのかはっきりわかりません。1207年、エリザベトはハンガリー王の王女に生まれ東ドイツの領主のもとに嫁ぎました。夫が亡くなり苦難の道を歩みましたが、病院を建て、フランシスコ第3会員となって祈りと献身的な病人の世話に専念しました。死後彼女に対する崇敬は年とともに盛んになり、フランシスコ第3会員をはじめ、多くの慈善事業の保護者として仰がれています。1117日は聖エリザベトの記念日にあたりますので、毎年、修道院でミサがささげられ寮生と共にお祝いの食事をします。
 




 先日、来日した総長は、私たちの多くの関係者と交わり良い印象を残しました。私たちにも示唆に富んだ話をしてくださいました。その一つに修道会の創立の頃、ある修練女にあてた手紙を公表してくださいました。その手紙は最近、総長の手に渡ったようです。創立者は草創期の姉妹たちをどんな思いで教育したのでしょうと思いながら聞きました。私が心に響いたのは最後の部分です。愛を燃え立たせるように聖霊に頼みましょう。そしてあなたが歩み始めた道を続けなさい。苦しみながら黙ること。愛しながら祈ること。これは修道者の偉大なる知識です
 私たちの創立者ご聖体のマリア・イネス・テレサは1904年メキシコで生まれました。16年間,観想クララ会で過ごしました。祈りと犠牲によって多くの霊魂を救うために聖性を願っておりました。ある日、これに使徒職を加えるべきであると悟ったのです。これが観想修道院を去って宣教クララ修道会を創立することになった理由です。観想生活を実践しながら使徒的な務めを果たし、まだキリストを知らない人々のところに行き、その家庭に神を知らせ、神を愛させ、そしてグァダルペの聖母の信心を広めることを望みました。宣教女はまず、祈らなければならない。その祈りから神の愛に満たされなければならない。そこで得た愛を、周りの人に伝えるように。たとえ何千キロも離れている人々の為にも、祈り、仕事、それが台所、庭、繕い、給仕、掃除であっても、また、小さな苦しみ、不都合をささげるという宣教ができることを教えてくれたのです。                           
教会は雲のように多くの聖人に囲まれています。イエスキリストの教えを具体的にとらえるお手本として模範として私たちには聖人が必要です。私たちの創立者も今、聖人への手続き中です。                                     

2016年11月4日金曜日

横浜港大さん橋



横浜港大さん橋
シスターL
初雪の話題もチラホラ。軽井沢の町はいかがでしょうか。浅間山は初冠雪でしょうか。浅間山に3回、雪が降ると里に降ると言われています。こちら東京は新総長を迎え時間割が変わり特別な日々を過ごしました。まず、新総長に従順を誓いました。これをいう時は毎度のことながら胸がいっぱいになります。今まで3人の総長に従順を誓いました。なんということでしょう、見ず知らずの人に自分の意思を預けるとは。年とともにその重さを感じています、と同時に従順が見せてくれた不思議な世界にも思いをはせております。


 東京でのある一日、総長様とみんなで遠足に行ってきました。横浜のカテドラル山手教会に私たちの創立者の聖遺物が納めてありますのでそこでお祈りいたしました。八景島シーパラダイスに行きお弁当を食べイルカのショウを見て楽しく過ごしました。それから横浜港大さん橋に行き ました。今から65年前4人の最初の姉妹たちが着いた港です。1951年、昭和261023日、彼女たちはこのメリケン波止場に着きました。きっと青雲の志を抱いて降り立ったことでしょう。それから軽井沢の地に行き寒さの中、貧しさの中、大日向の開拓地で人々に宣教しました。伊藤さんという方から借りた家に住み、台所の隣は牛小屋で、時々牛が節穴からジーッとこちらを見ていたり、くしゃみで堺の板が揺れたり、美しいクリスマスカードからは、想像もできない馬小屋での生活の実態に触れながらの宣教活動でした。
この地は旧満州開拓団が引き揚げ後、浅間山麓を開拓して村作りをしていました。天皇陛下が皇太子の頃から心にかけ両陛下でたびたび訪れました。お陰様でそのあとにつづく私たちもたびたびお会いするという栄誉に浴しました。ご成婚50周年の時はこちらの修道院を訪問してくださいました。私は入会して42年が経ちました。日本地区の歴史の65年のうち42年をその歴史に参加させていただいたのだと思い、今、感無量です。
 最初の姉妹が到着してから2年後、創立者が第一回日本訪問のためにこの港に着きました。その時の全会員にあてた手紙があります。                              
“私たちは少しずつ入江に近づいてきました。そこには 一つの灯台がありました。船はそれらを後に進んでいきます。もう暮れかかってきた中で、私はその光を見ながら、早く上陸したくてたまりませんでした。地図によれば、まだ数時間の航海が必要でした。乗客たちもみな同じ思いが見られました。そしてそれらの人々の中で私たちだけがカトリック信者であることを確かめたときの心の内を、あなた達には理解できないでしょう”

私は45年前に洗礼を受けカトリック信者になりました。やがてあなたの創立した会に入会し修道者になり、この横浜港大さん橋に来たのです。
           

2016年9月29日木曜日

秋の風



秋の風

シスターL

 夏の熱風と違い、風も哀愁を帯びてまいりました。こんな時は一人静かに物思うにふさわしいような気がします。教会は去年の12月から「いつくしみの特別聖年」を過ごしています。御父のいつくしみに目を向けるようにと教皇様は配慮してくださいました。巡礼教会も指定されました。東京教区は、東京カテドラル聖マリア大聖堂、神田教会、築地教会、麹町教会、八王子教会、西千葉教会です。

 静かに神様と向き合いますと許されたことの数々が思い出されます。修道会から、長上方から、姉妹たちから、世間から、家族から。今は鬼籍に入られた方々もいます。私たちは罪の許しを受けてからも肉の業と戦い、自分の罪を償い、自分を清めるよう求められています。それは償いきれないものでありましょう。しかし、体を使い、足を使って巡礼をすることにより、この世で教会訪問などによって代替えしてもらうことが出来ます。そこでまた、待っていてくれたいつくしみ深い神に出会います。

長上方の導きによって、月の第一日曜日は巡礼教会を訪問する日となっております。西千葉教会、八王子教会はちょっと遠かったですが、行ってきました。11月の閉会まで東京カテドラルに行けば全部巡礼したことになります。このような達成感も又神様からのご褒美でしょう。そこの教会を守ってきた方々の働きを見ながら、先人たちの思いをも垣間見ることが出来ました。多くの気づきと励ましのあった巡礼でした。

秋の風に乗せてもう少しお話ししましょう。養成院の姉妹たちの召命もだんだん具体的になってきました。来年から保育師の免許を取るために勉強します。先日面接があって、どうして“保育師になりたいですか”という質問に“修道会が必要としているためと子供たちに神様の愛を伝えるため”と答えたそうです。ほんとうにそのとおりでありがたいことです。私が考えているように一字一句同じく私たちの事業を引き継ぐことはないでしょう。形を変えて継承されるでしょう。新しいステージが始まりました。ワクワクしてきました。そのとき舞台の袖の片隅に私もそっと立たせて下さいますか?小さい秋を見つけました。

 

2016年9月1日木曜日

残暑お見舞い申し上げます



残暑お見舞い申し上げます

シスターL 

夏も終わりに近づきましたがつつがなくお過ごしでしょうか。この夏はリオオリンピックがあって私たちもみんなで応援しました。長上方の配慮でお祈りを30分早くして、夕食後ハイライトを見ました。メダルを取った選手の感動がこちらにも伝わってきました。弾ける笑顔、生涯最高の笑顔を見て心が洗われました。涙している選手を見てこちらも涙ぐみました。“奇跡”とか“運”と言う言葉も出て見えない不思議な力があることを思いました。色々なドラマに心を動かされ少し優しくなりました。4年後は東京オリンピックで近くの馬事公苑では馬術の競技が行われます。身近にオリンピックを感じることが出来るのを楽しみにしています。“ SEE  YOU  IN TOKYO “

夏休み私たちは家族を訪問するため帰省いたします。去年母が亡くなりましたので今年は新盆のためどうしても一番混雑するお盆中に帰らなければなりませんでした。私の郷里は福島県で、できたばかりの新宿バスタから福島行きの高速バスに乗りました。案の定、渋滞で2時間遅れで着きました。帰りのバスも渋滞で那須のあたりから館林の辺まではノロノロ運転でした。一人のお母さんが年長さんぐらいの女の子と2歳の男の子を連れていました。この男の子がかわいくて私たちの心を和らげました。

この子達の後ろの席に70代ぐらいのご夫婦がいてよく遊んであげていました。私はその後ろの席でした。細い指で座席をつかんでこちらを向いています。斜め向かいのおばさんがかわいいかわいいと指を触りました。細い指で“ガオー”とおじさんを威嚇したりします。終点に近いころ“おじさんとさよならするのしゃびしい”と言いました。“おじさんの子になる?“ ”イヤー“ それもそのはずパパが迎えに来ていました。お母さんは、ふたりの子の手を引いてお父さんは荷物を引いて、夕闇せまるなか家路に急ぐ親子の姿がありました。旅の中に”家に帰る旅“というのがあると聞いたことがあります。お母さんと子供たちは、まさに”家に帰る旅をしていたのですね。 夏の日の一期一会でした。

私たちは後にした故郷を思いながら、まだ見ぬ故郷にむかって旅をしているとパウロは言っています。地上にいるとき「いつの日かまみえまつらん、花咲きにおうゆかし御園 とうたった母マリアにそこで会うでしょう。懐かしい神がそこで待っていてくれるでしょう。