2016年9月29日木曜日

秋の風



秋の風

シスターL

 夏の熱風と違い、風も哀愁を帯びてまいりました。こんな時は一人静かに物思うにふさわしいような気がします。教会は去年の12月から「いつくしみの特別聖年」を過ごしています。御父のいつくしみに目を向けるようにと教皇様は配慮してくださいました。巡礼教会も指定されました。東京教区は、東京カテドラル聖マリア大聖堂、神田教会、築地教会、麹町教会、八王子教会、西千葉教会です。

 静かに神様と向き合いますと許されたことの数々が思い出されます。修道会から、長上方から、姉妹たちから、世間から、家族から。今は鬼籍に入られた方々もいます。私たちは罪の許しを受けてからも肉の業と戦い、自分の罪を償い、自分を清めるよう求められています。それは償いきれないものでありましょう。しかし、体を使い、足を使って巡礼をすることにより、この世で教会訪問などによって代替えしてもらうことが出来ます。そこでまた、待っていてくれたいつくしみ深い神に出会います。

長上方の導きによって、月の第一日曜日は巡礼教会を訪問する日となっております。西千葉教会、八王子教会はちょっと遠かったですが、行ってきました。11月の閉会まで東京カテドラルに行けば全部巡礼したことになります。このような達成感も又神様からのご褒美でしょう。そこの教会を守ってきた方々の働きを見ながら、先人たちの思いをも垣間見ることが出来ました。多くの気づきと励ましのあった巡礼でした。

秋の風に乗せてもう少しお話ししましょう。養成院の姉妹たちの召命もだんだん具体的になってきました。来年から保育師の免許を取るために勉強します。先日面接があって、どうして“保育師になりたいですか”という質問に“修道会が必要としているためと子供たちに神様の愛を伝えるため”と答えたそうです。ほんとうにそのとおりでありがたいことです。私が考えているように一字一句同じく私たちの事業を引き継ぐことはないでしょう。形を変えて継承されるでしょう。新しいステージが始まりました。ワクワクしてきました。そのとき舞台の袖の片隅に私もそっと立たせて下さいますか?小さい秋を見つけました。

 

2016年9月1日木曜日

残暑お見舞い申し上げます



残暑お見舞い申し上げます

シスターL 

夏も終わりに近づきましたがつつがなくお過ごしでしょうか。この夏はリオオリンピックがあって私たちもみんなで応援しました。長上方の配慮でお祈りを30分早くして、夕食後ハイライトを見ました。メダルを取った選手の感動がこちらにも伝わってきました。弾ける笑顔、生涯最高の笑顔を見て心が洗われました。涙している選手を見てこちらも涙ぐみました。“奇跡”とか“運”と言う言葉も出て見えない不思議な力があることを思いました。色々なドラマに心を動かされ少し優しくなりました。4年後は東京オリンピックで近くの馬事公苑では馬術の競技が行われます。身近にオリンピックを感じることが出来るのを楽しみにしています。“ SEE  YOU  IN TOKYO “

夏休み私たちは家族を訪問するため帰省いたします。去年母が亡くなりましたので今年は新盆のためどうしても一番混雑するお盆中に帰らなければなりませんでした。私の郷里は福島県で、できたばかりの新宿バスタから福島行きの高速バスに乗りました。案の定、渋滞で2時間遅れで着きました。帰りのバスも渋滞で那須のあたりから館林の辺まではノロノロ運転でした。一人のお母さんが年長さんぐらいの女の子と2歳の男の子を連れていました。この男の子がかわいくて私たちの心を和らげました。

この子達の後ろの席に70代ぐらいのご夫婦がいてよく遊んであげていました。私はその後ろの席でした。細い指で座席をつかんでこちらを向いています。斜め向かいのおばさんがかわいいかわいいと指を触りました。細い指で“ガオー”とおじさんを威嚇したりします。終点に近いころ“おじさんとさよならするのしゃびしい”と言いました。“おじさんの子になる?“ ”イヤー“ それもそのはずパパが迎えに来ていました。お母さんは、ふたりの子の手を引いてお父さんは荷物を引いて、夕闇せまるなか家路に急ぐ親子の姿がありました。旅の中に”家に帰る旅“というのがあると聞いたことがあります。お母さんと子供たちは、まさに”家に帰る旅をしていたのですね。 夏の日の一期一会でした。

私たちは後にした故郷を思いながら、まだ見ぬ故郷にむかって旅をしているとパウロは言っています。地上にいるとき「いつの日かまみえまつらん、花咲きにおうゆかし御園 とうたった母マリアにそこで会うでしょう。懐かしい神がそこで待っていてくれるでしょう。