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2016年12月1日木曜日

聖エリザベト



聖エリザベト
 シスターL
 
 私達のレジデンシア、寮は“エリザベト会”と言います。60年前のことで、どうして聖エリザベトの名を付けたのかはっきりわかりません。1207年、エリザベトはハンガリー王の王女に生まれ東ドイツの領主のもとに嫁ぎました。夫が亡くなり苦難の道を歩みましたが、病院を建て、フランシスコ第3会員となって祈りと献身的な病人の世話に専念しました。死後彼女に対する崇敬は年とともに盛んになり、フランシスコ第3会員をはじめ、多くの慈善事業の保護者として仰がれています。1117日は聖エリザベトの記念日にあたりますので、毎年、修道院でミサがささげられ寮生と共にお祝いの食事をします。
 




 先日、来日した総長は、私たちの多くの関係者と交わり良い印象を残しました。私たちにも示唆に富んだ話をしてくださいました。その一つに修道会の創立の頃、ある修練女にあてた手紙を公表してくださいました。その手紙は最近、総長の手に渡ったようです。創立者は草創期の姉妹たちをどんな思いで教育したのでしょうと思いながら聞きました。私が心に響いたのは最後の部分です。愛を燃え立たせるように聖霊に頼みましょう。そしてあなたが歩み始めた道を続けなさい。苦しみながら黙ること。愛しながら祈ること。これは修道者の偉大なる知識です
 私たちの創立者ご聖体のマリア・イネス・テレサは1904年メキシコで生まれました。16年間,観想クララ会で過ごしました。祈りと犠牲によって多くの霊魂を救うために聖性を願っておりました。ある日、これに使徒職を加えるべきであると悟ったのです。これが観想修道院を去って宣教クララ修道会を創立することになった理由です。観想生活を実践しながら使徒的な務めを果たし、まだキリストを知らない人々のところに行き、その家庭に神を知らせ、神を愛させ、そしてグァダルペの聖母の信心を広めることを望みました。宣教女はまず、祈らなければならない。その祈りから神の愛に満たされなければならない。そこで得た愛を、周りの人に伝えるように。たとえ何千キロも離れている人々の為にも、祈り、仕事、それが台所、庭、繕い、給仕、掃除であっても、また、小さな苦しみ、不都合をささげるという宣教ができることを教えてくれたのです。                           
教会は雲のように多くの聖人に囲まれています。イエスキリストの教えを具体的にとらえるお手本として模範として私たちには聖人が必要です。私たちの創立者も今、聖人への手続き中です。                                     

2016年7月20日水曜日

日本語能力検定試験


日本語能力検定試験

シスターL

 夏!夏!夏!これ以外の日本語があるでしょうか。


まだ涼しかった頃の一夜の話を聞いて下さい。“月下美人”という花をご存知ですか。この花の開花に立ち会うのは難しいそうですがこちらの修道院にありますので、何回も見ることが出来ました。係の姉妹が、花が咲きそうになるとお御堂に行く廊下に出しておいてくれるからです。私たちは今か今かとそこを通る度に見つめています。夕暮れから咲き始め9時ぐらいに大きく花開きます。そからどれぐらい咲いているか見届けたことはありませんが朝にはしぼんでしまいます。それで月下というそうです。朝しぼんでいるのを見て本当に一夜だけだったのだとそのはかなさに思いをはせます。なぜか爽やかな気分になります。9月ごろもう一度咲くそうです。それで今年はおしまいです。
 少し涼しくなったところで暑かった時の話をしましょう。
7月の最初の日曜日、日本語能力検定試験に付き添いの付き添いでついていきました。養成院の姉妹が受験する為です。明治大学の生田校舎です。三軒茶屋から世田谷線で行きました。昔の都電を大きくしたような電車で沿線のレトロな東京を楽しみルンルンでした。地下鉄の田園都市線の桜新町に住んでいますので、小田急線に乗り換えたとき広い空と雲がとてもきれいでした。
ところが生田の駅に着くとカンカン照り。 暑い!暑い!暑い! 駅から10分と書いてありましたが川沿いに多分10分以上歩きました。着いたら学生食堂はやっていないしコンビニは空いていません。守衛の方に食べ物は持って入った方がいいと言われてもう一度生田の駅まで戻りました。混雑の中、昼食を確保して会場に行こうとし前方を見ましたらなんと大げさに言えば傾斜が45度の山道ではありませんか。さすが農学部。姉妹の腕につかまってやっとの思いで登りました。彼女は ”VAMOS MARIA” (マリア様と一緒に行きましょう)と何度も励ましてくれました。
試験は12時半からですので着くと大勢の人がホールで食事をしていました。目算で1000人以上いました。その中で日本人は私たち2人だけでした。こんなに大勢の外国人を見たのは初めてでした。皆さん検定を受けて日本で何をしようとなさっているのでしょうか。評価はN1からN5まであって、N14年制の大学や国家試験が受けられます。N2は短期大学や専門学校が受けられます。認定によって企業や社会でいろいろ優遇されます。年に2回行われ北海道から沖縄まで、また海外でも受けられます。去年は国内が83,592人、海外が215,705人受けました。毎年毎年こんなに大勢の人が受験し日本語を学んでいます。国籍を超え言語を超えてお互いを理解し受け入れなどと考えるより”ともに住む”“ともに生きる”知恵と工夫が先決と思いました。心身ともに衝撃を受けふらふらになって修道院に帰ったのでありました。
この話は現実になりました。2学期からこちらの寮に留学生が入ります。神様のなさることは時宜にかなってなんと美しいことでしょう。

2016年4月5日火曜日

ようこそ、エリザベト会へ



ようこそ、エリザベト会へ 
シスターL
 “春の兆しは空に現れ、大地はそれに答える” 雪解け水が流れ、野花が咲き、蝶が舞い、桜が咲きました。春の訪れです。日本列島に桜前線が走っています。人はどうして桜が咲いたぐらいで笑顔になるのでしょうか。321日午前11時、人々がカメラを持って待ち構える中、気象庁の職員が靖国神社の標本木の桜が6個咲いているのを確認し桜の開花宣言をしました。その時の素敵な笑顔が今も私の胸に焼き付いております。仕事を超えたものを感じました。ちなみに修道院の庭の桜の開花宣言は私がしました。誰からも頼まれていないけれど。326日午前10時、6個咲いていました。
 
私たちの町は桜新町と言います。その名のように沿道にはいろいろな桜があります。緑色の桜を始めてみました?(私は葉っぱを見たのでしょうか)そして花見の穴場があります。呑川(のみがわ)沿いに咲いている桜並木です。この川の水源は桜新町で湧水があります。呑めるほど清らかなのでこの名がついたそうです。桜を愛でながら歩いていきますと日本体育大学に出ます。入学式、卒業式ともなると五郎丸選手のようなイケメンが町にあふれます。 

何年か前ここの学生が寮にいました。とても元気で寮長にお小言を食うと大きな声で ”了解!!“ といいます。夕食の前に ”シスター、ちょっと砧公園まで走ってくる“ と出ていきます。行きはよいよいですが帰りは緩い坂道がしばらく続のできついでしょうになどと思っていますと玄関で ”ただいま!!“ と大きな声がします。近くには馬事公苑もあります。災害時の私たちの避難場所です。両方とも桜がきれいです。

満開の桜の中を7名の新入生が入ってきました。”ようこそ、エリザベト会へ、ネームプレートを作り、シューズクロークに名前を付け、部屋に、洗面所に、洗濯場に、食堂に名前をつけてお待ちしていました。心躍る楽しい作業でした。私たち3人がお世話をします。どうぞよろしく。腕によりをかけてお食事を作りますのでたくさん食べてくださいね。町でシスターにあったら挨拶してくださいね。あなた達のことみんなで応援していますよ“

2015年4月20日月曜日

若い方々と生活して






若い方々と生活して

シスターL

 私は、大学生と一緒に生活しています。これは私たちの修道会の活動のひとつです。共同生活を通しての宣教活動の場です。宗教のクラスをしたり、夜の9時半から簡単なお祈りをしたり、宗教行事への参加を促したりしています。ここから10人以上修道会に入りました。又、食事を作ったり、掃除をしたりして快適な大学生活を送れるようにと務めております。学生たちはそのことをよく理解して感謝してくれています。今はここも別れの季節で卒業したり、いろいろな事情で引っ越していく人もいます。

 

 玄関で最後のお見送りする時はいつもさびしくなります。今日から『ただいま]』とここに帰ってきません。縁あってこの家でともに過ごしました。1年、2年、3年、4年。私の作った食事もおいしいと言って食べてくれました。これからの人生に神様の守りがいつもありますようにと祈らずにはいられません。

  卒業して退寮した姉妹が私たちに手紙を残してくれました。許可を得ましたのでお読みください。


dearest エリザベト会のシスター方

 4年間、毎日ありがとうございました。4年前にこの寮に見学に来させていただいてから今日までこの寮は私にとって安らぎの場でした。帰宅すると『お帰りなさい~』と言って迎え入れてくださったり、温かいお料理で心身ともに満たして下さったり、個人的な悩み事に真剣に耳を傾けてくださったり・・・・たくさんのことを欠かさずして下さいました。私に東京の「家族」を与えてくださった神様と東京生活を根っこからささえてくださったシスター方本当に有難うございました。

 

生意気な言動も多かったと思いますが、いつも変わらず真剣に向き合って下さり、今は『叱られるうちが花』という言葉の意味がわかるような気がします。どれだけ生意気でもシスターの皆さんは優しさを持って教えてくださったからこそシスターを心から信頼できたのだと感じます。これからもそんな人間関係を築けるかしら…・将来に関して不安がいっぱいです。

 

しかし、神様がいて下さるし、シスターや寮生が私の未来をお祈りして下さったのだから前向きに毎日を過ごしていけそうです。今後忙しくなるかと思いますが心は失うことなく頑張りたいと思います。これまで本当に有難うございました。シスターのご健康をお祈りしています。またお会いした時が今から楽しみです。