2016年7月20日水曜日

日本語能力検定試験


日本語能力検定試験

シスターL

 夏!夏!夏!これ以外の日本語があるでしょうか。


まだ涼しかった頃の一夜の話を聞いて下さい。“月下美人”という花をご存知ですか。この花の開花に立ち会うのは難しいそうですがこちらの修道院にありますので、何回も見ることが出来ました。係の姉妹が、花が咲きそうになるとお御堂に行く廊下に出しておいてくれるからです。私たちは今か今かとそこを通る度に見つめています。夕暮れから咲き始め9時ぐらいに大きく花開きます。そからどれぐらい咲いているか見届けたことはありませんが朝にはしぼんでしまいます。それで月下というそうです。朝しぼんでいるのを見て本当に一夜だけだったのだとそのはかなさに思いをはせます。なぜか爽やかな気分になります。9月ごろもう一度咲くそうです。それで今年はおしまいです。
 少し涼しくなったところで暑かった時の話をしましょう。
7月の最初の日曜日、日本語能力検定試験に付き添いの付き添いでついていきました。養成院の姉妹が受験する為です。明治大学の生田校舎です。三軒茶屋から世田谷線で行きました。昔の都電を大きくしたような電車で沿線のレトロな東京を楽しみルンルンでした。地下鉄の田園都市線の桜新町に住んでいますので、小田急線に乗り換えたとき広い空と雲がとてもきれいでした。
ところが生田の駅に着くとカンカン照り。 暑い!暑い!暑い! 駅から10分と書いてありましたが川沿いに多分10分以上歩きました。着いたら学生食堂はやっていないしコンビニは空いていません。守衛の方に食べ物は持って入った方がいいと言われてもう一度生田の駅まで戻りました。混雑の中、昼食を確保して会場に行こうとし前方を見ましたらなんと大げさに言えば傾斜が45度の山道ではありませんか。さすが農学部。姉妹の腕につかまってやっとの思いで登りました。彼女は ”VAMOS MARIA” (マリア様と一緒に行きましょう)と何度も励ましてくれました。
試験は12時半からですので着くと大勢の人がホールで食事をしていました。目算で1000人以上いました。その中で日本人は私たち2人だけでした。こんなに大勢の外国人を見たのは初めてでした。皆さん検定を受けて日本で何をしようとなさっているのでしょうか。評価はN1からN5まであって、N14年制の大学や国家試験が受けられます。N2は短期大学や専門学校が受けられます。認定によって企業や社会でいろいろ優遇されます。年に2回行われ北海道から沖縄まで、また海外でも受けられます。去年は国内が83,592人、海外が215,705人受けました。毎年毎年こんなに大勢の人が受験し日本語を学んでいます。国籍を超え言語を超えてお互いを理解し受け入れなどと考えるより”ともに住む”“ともに生きる”知恵と工夫が先決と思いました。心身ともに衝撃を受けふらふらになって修道院に帰ったのでありました。
この話は現実になりました。2学期からこちらの寮に留学生が入ります。神様のなさることは時宜にかなってなんと美しいことでしょう。

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