召命体験記(シスターTJ)
神様の呼びかけはとても神秘です。なぜなら皆一人ひとり違うからです。今日は、本会の有期誓願者の一人に召命体験を書いてもらいました。
私は、子どもの頃から“いい人”になりたいという望みをもっていた。実際には、自己中心的で、両親にも反抗的な子どもだったが、その望みだけはずっともちつづけて生きていた。
17歳の頃、インドのマザー・テレサが、マスコミに登場しはじめた。彼女の本を読んで感動した。が、尊敬するべき人ではあるが、私からはとてもかけ離れている人のようにみえた。
25歳の時、日本の修道女が主人公として描かれている小説に出会った。彼女は、アフリカのマダガスカル島で、修道院の経営する産院の産婆として働いていた。いったい自分に何が起こったのか自分でも理解できない程、上・下二冊のその小説に没頭し、何度も繰り返して読んだ。主人公の考え方、言葉、生き方に心を惹かれてしまった。
彼女の、貧しい人々を助けて生きる生き方は、確かに私の望む“いい人”の生き方なのだ。しかし、私が惹かれたのは、そのもっと向こうにあるものだった。彼女は、すべてのことをただ、神様、主イエス・キリストの為にやっているという。それはどういうことなのか、まだ、信者ではなかった私には、本当には理解できない発想だった。それなのに、彼女の存在が私から近い人に感じられた。そして“彼女の生き方は、なんて、素敵なんだろう。私も彼女のように神様の為に生きたい・・・”という印象を私に残した。その時、修道女の生き方に強い憧れを抱いた。
とはいえ、すぐに決断とはいかなかった。“一生を捧げるのは難しいけど、2年なら・・・”と、海外ボランティアに参加したり、結婚や、他の道もあるのではと、捜してみたが、修道女への憧れが心を離れることはなく、ある日決心し、洗礼へと導いて頂いた。
主の恵みによって本会と出会い、洗礼から1年半後、入会させて頂いた。“なぜ、もっと早くに決断できなかったのか”、と人間的な後悔は度々頭をよぎるが、忍耐強く待ち続けて下さった、主イエス・キリストに心から感謝しながら生きている。
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