2020年12月6日日曜日

ドロちゃんのはなし③


ドロちゃんのはなし③

愛されて

 

     軽井沢修道院は、明るく賑やかな共同体です。めったにしゃべらないドロちゃんが、たまに口を開いた時は、「みんなお静かに!」と言わなければなりません。そんな寡黙なドロちゃんですが、存在感は大きく、みんなドロちゃんのことが大好きでした。

      末期癌を患うドロちゃんのために、みんないっしょうけんめい。食べやすいようにと特別食を用意する姉妹、お風呂やトイレの介助をする姉妹、むくんだ足をマッサージする姉妹、ぼそぼそと話すドロちゃんの話にじっと耳を傾ける姉妹・・・、みんなそれぞれが自分に出来る奉仕を喜んで行いました。

    ドロちゃんは、数ヶ月後、修道誓願50年のお祝いをすることになっていました。でも、その日を迎えることは不可能な状態です。最後の2週間は、緩和ケアのために病院に入院していました。私たちは、愛するドロちゃんのために、何とか50周年のお祝いをしたいと願いました。ドロちゃんが50周年のお祝いをとても楽しみにしていたのをみんな知っていたからです。そしてついに私たちの願いが実現する日がやって来ました。神様のお計らいと病院のご好意で、広めの病室を一晩だけお借りすることが出来たのです。そして、軽井沢教会の主任、高野神父様の司式で、修道誓願50周年の記念のミサとお祝いを行うことができました。

    それから約一週間後、12月6日にドロちゃんは天の御父のみもとに帰って行きました。

 

  ドロちゃんとは、シスタードロレス藤原の愛称

  ドロちゃんのはなし①つたえたい、さわやかなほほえみを: ドロちゃんのはなし その① (hohoemiwo.blogspot.com)つたえたい、さわやかなほほえみを: ドロちゃんのはなし② (hohoemiwo.blogspot.com)も読んで下さい。


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