福者 御聖体のマリア・イネス・テレサにとってのグァダルペの聖母
「グァダルペの聖母のご絵の御前で、私の霊魂に突然、根底から完全な変化が起こりました。その時、溢れるほど光が注がれ、自分がいかに忘恩であるかに気づかされ、私の数限りない罪が明らかに分かりました。その時、母と娘の間にあったことは書きようがありません。私にその変化を起こさせたものは、メキシコのモレニータと呼ばれるグァダルペのマリアの愛でした。その愛はホァン・ディエゴを思い出させるもので、彼女の服から放った神的な香りはバラの香りでした。・・・その魅力的な言葉に母の愛情が現れていました。
『わが娘よ、か弱い小さなあなたを愛しています。あなたはわたしの懐にいて、私がみまもっているではありませんか。他に必要なものがありますか。』 ですから、天の元后であるグァダルペのマリアが私の母です。」
マリアは創立者といつも共にいてくださり、アヴエ・マリアの修道院で観想生活をしていた時に一つの約束をして下さいました。(1930年) それに促されたことが、後に始まる宣教の大きな事業の力となりました。その約束の言葉は次の通りです。『もし神の計らいによって、あなたが宣教の仕事に用いられるならば、私はあなたの行くどんなところにも共にいて、あなたの唇に人々の心を動かす説得力のある言葉を置き、必要な恵みで満たすことを約束いたします。さらに御子の功徳によって、あなたと何らかのかかわりのある人々、それは単に霊的なかかわりのみであったとしても、その人々に、聖性の恵みと、最後まで神の愛にとどまる恵みを与えましょう.』この約束を聞いて、マドレ・マリア・イネスが、自らグァダルペの聖母を全世界に愛させようと決心しました。
1943年に、霊的指導者(聴罪司祭)への手紙に次のように書いています。
「青春時代、グァダルペの聖母が私の霊魂にご自分を現し、私を神へと導いて下さり、そして私は修道生活への召命を受けました。聖母がご自分の大いなる愛によって私を引き寄せて下さいましたので、私は余すところなく完全に従いたいほど、彼女に心を奪われました。その時から、私にとって人間的な喜びや満足を得ようとする気持ちが消えてしまいました。そして私の唯一の望みは、もしできるならば、メキシコだけではなく、全世界の人々、すべての霊魂が聖母に魅かれ、聖母を知り、聖母を愛するようになることでした。・・・
聖母を見ると『娘よ、恐れてはなりません。私はあなたと共にどこにでも行きます。
御子を知らない人々に御子を知らせるために、必要な恵みをも私が取り次ぎましょう。ただ、あなたが私に無限の信頼をもってさえいれば、私の愛の力が無限であることがわかるでしょう。私が愛するメキシコの小さい者に愛と優しさを持って現れた時、沢山の驚くべき出来事(奇跡)があり、素晴らしい回心があったように、他の国々も私の小さい者ですから同じことをいたしましょう。ただ、あなたが私に完全な信頼を持って、御子の御血であがなわれた霊魂を求めて行くなら』と言われている気がします。」
この宣教クララ会は、グァダルペの聖母にすべての国々を奉献し、その母の下に、愛と優しさの勝利のトロフィーとして、諸国の旗を置きましょう。今は聖母をまだ知らない人々が後に知るようになり、愛するようになると確信をもっています。
(今、福者マリア・イネスのこの熱望が実現しています)
「・・・なぜなら、聖母がすべての人々に愛されるならば,自ずと御子が来られる道を準備し、御子が愛の王座に着き、聖体顕示台から治めるようになり、そこから愛の光線を信じることのできない人々の上に放つでしょう。御聖体のイエスとグァダルペの聖母と共に、何千万の人々が唯一の真の神へと回心するでしょう。」
「ああ聖母よ、もし私たちがあなたの御助けを信じ、あなたと一致し、あなたが私たちの霊魂を導き、あなたの光と温かさが私たちの内に生きているならば、私たちは勝利を歌うことに確信をもたないでしょうか。霊魂たちが回心しないことがあるでしょうか。『私たちと何らかのかかわりのある霊魂、たとえ霊的なかかわりのみであったとしても回心しないことがあるでしょうか』それはあなたの純粋な唇から出た言葉、高貴な力あるあなたの約束であるので、それで私たちはあなたを『全能である懇願者』とお呼びするのです。」
生涯に渡って聖母を愛し、聖母と共に生きた創立者マドレ・マリア・イネスの列福が、正にそのグァダルペの大聖堂であったことは大変意味深く、特別な恵みだと思います。
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