秋の風
秋の風
シスターL
夏の熱風と違い、風も哀愁を帯びてまいりました。こんな時は一人静かに物思うにふさわしいような気がします。教会は去年の12月から「いつくしみの特別聖年」を過ごしています。御父のいつくしみに目を向けるようにと教皇様は配慮してくださいました。巡礼教会も指定されました。東京教区は、東京カテドラル聖マリア大聖堂、神田教会、築地教会、麹町教会、八王子教会、西千葉教会です。
静かに神様と向き合いますと許されたことの数々が思い出されます。修道会から、長上方から、姉妹たちから、世間から、家族から。今は鬼籍に入られた方々もいます。私たちは罪の許しを受けてからも肉の業と戦い、自分の罪を償い、自分を清めるよう求められています。それは償いきれないものでありましょう。しかし、体を使い、足を使って巡礼をすることにより、この世で教会訪問などによって代替えしてもらうことが出来ます。そこでまた、待っていてくれたいつくしみ深い神に出会います。
長上方の導きによって、月の第一日曜日は巡礼教会を訪問する日となっております。西千葉教会、八王子教会はちょっと遠かったですが、行ってきました。11月の閉会まで東京カテドラルに行けば全部巡礼したことになります。このような達成感も又神様からのご褒美でしょう。そこの教会を守ってきた方々の働きを見ながら、先人たちの思いをも垣間見ることが出来ました。多くの気づきと励ましのあった巡礼でした。
秋の風に乗せてもう少しお話ししましょう。養成院の姉妹たちの召命もだんだん具体的になってきました。来年から保育師の免許を取るために勉強します。先日面接があって、どうして“保育師になりたいですか”という質問に“修道会が必要としているためと子供たちに神様の愛を伝えるため”と答えたそうです。ほんとうにそのとおりでありがたいことです。私が考えているように一字一句同じく私たちの事業を引き継ぐことはないでしょう。形を変えて継承されるでしょう。新しいステージが始まりました。ワクワクしてきました。そのとき舞台の袖の片隅に私もそっと立たせて下さいますか?小さい秋を見つけました。
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